日本経済の不況の原因は何か1

2007年8月のパリバショックを契機に、アメリカ発のサブプライム問題が起こり、アメリカでは住宅バブルが崩壊しました。その後の2008年9月には全米4位の証券会社リーマンショックの破綻、それ以降、世界経済は本格的に不況になりました。前FRB議長グリーンスパンの言葉を借りるなら「100年に一度の危機」という状況です。

そのような状況の中、日本ももちろん他人事ではなく本格的に景気が悪化してきました。

サブプライム問題が欧米の金融機関に大きな損失を与えた際に、日本は対岸の火事のように捉え、まだそれほど金融危機は実感されていませんでした。それどころか、三菱UFJ銀行モルガンスタンレーへの9000億円もの出資、また野村証券によるリーマンの欧州・中東部門の買収など、むしろ日本が今後世界の金融をリードしていくかのような状況さえもありました。

ところが気が付けば、日本も不況の真っ只中です。いったい日本経済に何が起こったのでしょうか。

今までの通説は、以下のようなものでした。

アメリカの住宅バブルが崩壊したことで、サブプライムローンが組み込まれた証券化商品に価格がつかなくなり、それらを保有していた欧米の金融機関が大きな損失を被った。その結果、金融危機アメリカの実体経済にまで影響を与え、それが日本経済にも影響を与えている。

ですが、金融危機から派生した世界不況が日本に与えている影響は、上記では説明がつかないほどの大きな損失を与えるといえるでしょう。事実、2007年夏以降のダウ平均と日経平均を比べると日経平均の方がダウよりも下げている割合は大きいものとなっています。また日本の実体経済に関してもぼろぼろの状態です。

日本経済の不況の原因は何なのでしょうか。当分はこの問題について考えていきたいと思います。


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http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2009020900692