2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧
前回まで為替の話をずっとしてきましたが、今週に不動産に関する重大なニュースが二つあったので、そちらをご紹介したいと思います。 地価下落、ほぼ全地点に 国交省1月調査、名古屋圏の下げ目立つ SFCG、民事再生法を申請 一つ目のニュースは、国土交…
クー氏は講演で、「(2008年ノーベル経済学者である)少し風変わりな経済学者(実際はもっと厳しい言葉で揶揄していました)クルーグマンもブログで公共投資の重要性を認めた」といっていたので、クルーグマンのブログで記事を検索して見ました。すると、クルー…
前回では、リチャードクー氏が提唱しているバランスシート不況について説明しました。クー氏は、今の世界経済不況に対して1つだけ望みがあると講演で述べていました。それはまさしく日本が10年前にバランスシート不況に陥っていたこと及びその解決策を提…
前回では、「フォワードルッキングパズル」について述べるとともに、日銀のワーキングペーパーをご紹介いたしました。このワーキングペーパーの結論の1つには「一旦巻き戻されると低金利通貨は急騰し、ボラティリティも高まり易い」というものがありました…
前回では、竹森先生の「世界経済の謎」やフルート(1990)を引用し「短期的には金利が高い通貨は、先物レートが示しているように必ずしも減価しない」ということについて述べました。このことは、「フォワードディスカウントパズル」と呼ばれ、経済学の中でも…
前回の続きで「短期間においては、『カバーなし金利裁定条件』は成り立つのか」についてです(長期については前回述べました)。このことが成り立てば、金利の低い通貨で資金を調達し、高金利の通貨で運用すれば、「インカムゲイン」に加え、為替差益である「…
本日春季証券投資セミナーに参加し、野村證券のチームエコノミストであるリチャード・クーさんと経済評論家の勝間和代さんの講演を聞いてきました。リチャード・クーさんは主に「バランスシート不況」について、勝間さんはベストセラー「銀行にお金は預ける…
前回では、カバーなし金利裁定条件について述べました。では、カバーなし金利裁定条件という傾向法則は成り立つのでしょうか。言い換えるならば、「金利が高い通貨ほど、減価する傾向があるのか」ということです。何度も書いていますが、金利が高い国の通貨…
前回では、「金利が高い通貨の先物レートは減価する」ということについて述べました。通常は、金利が高い国通貨は買われるといわれています。しかしながら先物レートでは、金利が高い通貨は減価しているのです。今はドルの金利と円の金利差がほとんどないた…
前回の続きで、金利が高い国に投資することについてです。気が付いたら日本経済の不況の原因とは程遠い議論をしているようですが、為替の話をしなければ、「円キャリートレード」をきちんと理解が出来ず、また日本が不況になった理由のひとつである「円高に…
前回では、金利が高い国の通貨に投資をするとキャピタルゲインとインカムゲインの両方で儲かる可能性があることについて述べました。その理由は以下の通りです。 高金利の国に投資をすると金利差で儲けることが出来る。→インカムゲイン 高金利の国の通貨は買…
円キャリートレードのことを書いた際に、FXで儲けた個人投資家は、どこに行ってしまったのか、ということについて述べました。確かに中にはFXで大儲けしたまま勝ち逃げ出来た人もいるでしょう。他方、投資したお金をすべて失った人も中にはいるはずです。で…
前回では円安バブルが生まれた原因について述べましたが、その際に円キャリートレードについても触れました。円キャリートレードとは以下のようなものでした。 円キャリートレードとは、低金利の円で資金を調達し、外国の高金利の通貨で運用するというもので…
前回では、円安バブルの発生の原因の1つとして円キャリートレードがあったことを指摘しました。またこの円キャリートレードには個人投資家もFXや外貨預金を通じて、多く関わっていたことについても述べました。さて、外国の金利が高く、FXや外貨預金が個人…
前回は現在の日本経済の不況の原因のひとつとして、円安バブルが崩壊したことについて言及しました。では、どのようにして円安バブルは生まれたのでしょうか。ここは野口先生に代わって、元財務官でミスター円の異名を持つ、現早稲田大学教授の榊原先生に説…
日経のニュースによると、民間エコノミストによる2008年10―12月期の実質経済成長率予測は平均で前期比年率10.59%減と、1月調査の5.14%減を大きく下回っている状況です。もうこの不況は戦後最大規模といっても過言ではないでしょう。そして、「金融危機の影…
2月10日に金融庁から不良債権(金融再生法開示債権)の状況が発表されました。 2008年9月末の不良債権額は12.2兆円で、前回の2008年3月から0.9兆円の増加となりました。このフローで0.9兆円の増加、ストックで12.2兆円という不良債権は果たして多いのでしょ…
前回では日本経済が不況になった原因は、従来考えられていたように「アメリカの住宅バブルが崩壊したことで、サブプライムローンが組み込まれた証券化商品に価格がつかなくなり、それらを保有していた欧米の金融機関が大きな損失を被った。その結果、金融危…
前回では、不良債権の増加額が実感とは違い少なすぎるということを書きました。では、この実感とのずれはどこから来るのでしょうか。1つの仮説としては2009年3末の不良債権残高が発表される2009年8月に、不動債権の残高が急に大きく増える可能性が非常に高い…
前回ブログを書く理由について書きましたが、その根底には心の奥底から沸いてくる1つ強い何かがありました。それは「本当の問題意識を持つことが出来た」ということです。私は大学院に進学した際には研究者養成コースにいたので、そのまま博士課程に進学す…
なぜブログを書こうと思ったのか。ブログを書くことに至った理由は3つあります。 一つ目の理由は、世界同時不況になった原因、そしてこの不況が日本に与える影響、そしてその処方箋について自分の考えをまとめたいと思ったからです。加えて金融機関で働くこ…
2007年8月のパリバショックを契機に、アメリカ発のサブプライム問題が起こり、アメリカでは住宅バブルが崩壊しました。その後の2008年9月には全米4位の証券会社リーマンショックの破綻、それ以降、世界経済は本格的に不況になりました。前FRB議長グリーンス…
本ブログは、経済や金融の事柄・問題などについて、分析・検討することを目的に書かれています。またブログを書くにあたり出来るだけ多くの経済本をご紹介する予定です。私が大学・大学院で学んだ経済理論及び金融実務を通して経験したことを元に書く本ブロ…