【経済学】マンキュー経済学17章 独占的競争

今回のミクロ経済学読み比べのテーマは不完全競争3部作(独占、寡占、独占的競争)の最後となる独占的競争についてです。どの教科書においても扱っているページは独占や寡占よりも少なく、また、解説においてもそれほど大きな違いはありませんでした。あえて…

【経済学】マンキュー経済学16章 寡占

ミクロ経済学読み比べの今回のテーマは「寡占」です。ミクロ経済学の生産の理論において、完全競争市場や独占の理論はやや極端な仮定の下で企業がどのような行動をするかを分析していますが、寡占においては、比較的現実の状況に近い想定がなされています。 …

【経済学】マンキュー経済学15章 独占

毎度おなじみのミクロ経済学の読み比べです。今回は独占についてです。独占は完全競争の次に学ぶ分野となりますが、大別すると教科書によって独占単独の章を設けている本と独占的競争や寡占市場と一緒に扱っている本の2種類に分けられます。マンキューでは、…

【経済学】マンキュー経済学14章 競争市場下における企業行動について②

毎度おなじみのミクロ経済学の読み比べです。今回の内容は、完全競争市場における企業行動となります。今回の内容を土台として、独占、寡占、独占的競争へとテーマは拡大していくこともあり、企業行動を学ぶ上で非常に重要な回となっています。 経済学入門の…

期待インフレ率の測定方法について

村上龍氏が発行しているメールマガジン「JMM」のQ1,146のテーマは「インフレ期待が国民の間に醸成されるためには、政府の、どのような経済政策が有効なのでしょうか。」がテーマでした。各論者が期待インフレ率の醸成方法について意見を投稿していましたが、…

【経済学】マンキュー経済学14章 競争市場下における企業行動について①

マンキュー経済学14章では競争市場下における企業の行動を分析しています。この章は企業行動のミクロ経済学的アプローチの基礎部分となります。マンキューにおいて説明される企業の意思決定には、様々な前提条件が課されていることもあり「非現実的で、役に…

【経済学】マンキュー経済学13章 生産費用について②

費用の章についてのミクロ経済学読み比べです。Mankiwを初めとする経済学の入門書では、収穫逓減を仮定した上で費用関数への説明へと入りますが、Varianや西村といったミクロ経済学専門の教科書では、まず生産関数の単独の章を設け、生産関数をしっかりと説…

【経済学】マンキュー経済学13章 生産費用について①

ミクロ経済学は大きく二つに分けると、「消費の理論」と「生産の理論」に分けられます。これら二つは考え方を含め、互いに表裏いったいとなっています。消費の理論では消費者の行動を分析し、消費者の意思決定行動が需要曲線によって表されることになります…

【経済学】マンキュー経済学12章 税の制度設計について

マンキュー経済学12章「税の制度設計」についてのミクロ経済学読み比べです。今回のテーマは「税金」ですが、包括的な経済学の入門書であるマンキュー、クルーグマン、スティグリッツでは単独で「税金」もしくはそれに準ずる章が存在する一方で、いわゆるミ…

【経済学】マンキュー経済学11章 公共財及び共有資源について

マンキュー経済学第11章では、公共財と共有資源について書かれています。これまでマンキュー経済学で紹介されてきた内容は、主に市場で取引される財についてでした。他方で、必ずしも市場で取引されない財もあります。 例えば、国・地方自治体が提供している…

【経済学】マンキュー経済学第10章「外部性」について

マンキュー経済学10章のテーマである外部性についてです。マンキュー以外のミクロ経済学のメジャーどころの教科書を読み比べました。ざっとまとめましたので、ご参考にしていただければと思います。難易度順に並べています。①Stiglitz,Walsh(2005)「Economic…

【経済学】マンキュー経済学勉強会その後

1年ほど前にマンキュー経済学を読む勉強会を立ち上げたことを書きましたが、その勉強会が本日で無事1周年を迎えました。これまで学んできたことを今後は本ブログでも共有して行きたいと考えております。 引き続きどうぞ宜しくお願いいたします。

【読書日記13】生命保険のカラクリ

本日はライフネット生命副社長の岩瀬大輔さんによる「生保のカラクリ」をご紹介します。生命保険のカラクリ (文春新書)作者: 岩瀬大輔出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/10/17メディア: 新書購入: 31人 クリック: 386回この商品を含むブログ (120件) を…

経済学者アンケート 経済政策はどうあるべきか

米国の33代大統領ハリー・トルーマンはかつて以下の言葉を発しました。 隻腕の(one-armed)経済学者を見つけたい。 トルーマンがブレーンの経済学者たちに助言を求めると、経済学者たちはいつも次のように答えたからです。 一方では(on the one hand)・・…

転換期の経済思想を考える

10月21日の日経経済教室では、本ブログでも度々登場している慶応大の小幡先生が寄稿されています。 今回の論文の内容は経済危機と経済思想についてでした。過去幾度となく経済構造の変化が起きたときには、政権の交代が起こっています。そしてそのような時に…

【セミナー6】読書の秋!達人読書術&読書会2〜読書会の実践〜

前回参加したセミナーでは、後半に読書会の実践もありました。今回はその内容をレビュー致します。読書会とは コンセプト 読みたい本を持参し、その場で読み、内容をプレゼンする。 ビジネス書を読む力、習慣をつける。 読んだ内容を他者へ伝えるアウトプッ…

【セミナー6】読書の秋!達人読書術&大読書会

先日、読書の秋!達人読書術&大読書会に参加しましたので、内容を軽くレビュー致します。セミナーは以下の3つの部に分かれていました。 「いつも目標達成している人の読書術」講師 丸山純孝さん パネルディスカッション「実録!私はこうしてビジネス書を使…

モラトリアムについて考える②

前回の続きでモラトリアムについてです。今回からはモラトリアムのことを踏まえて「そもそも金利とはいったい何か?」について考えてみたいと思います。 実務で働いていると、金利は多くの場合「リスクフリー資産(例えば、国債)やLibor、Tibor、長プラといっ…

モラトリアムについて考える。

最近亀井金融担当大臣が提案している返済猶予、いわゆるモラトリアムが非常に話題になっています。どのような内容になるかは明確に決まってはいませんが、先日のニュースでは以下の案があるとのことです。 元利金の支払いを猶予する約3年間、国が貸し手の地…

「東大・林教授、一橋大学に 異例の移籍」を考える。 Appendix

東大林先生の業績について簡単にまとめました。①トービンのQ 投資のトービンのQの理論において、限界のQと平均のQがある仮定の下では、一致することを林先生は数学的に証明しました。このおかげでトービンのQを用いた実証分析が可能となりました。投資関数の…

「東大・林教授、一橋大学に 異例の移籍」を考える。

いきなりですが、先週発表された下記ニュースについてです。 東大・林教授、一橋大学に 異例の移籍 マクロ経済学や計量経済学が専門の林文夫・東京大学教授(57)が10月1日付で一橋大学の教授として移籍することがわかった。東大経済学部の教授が定年前にほ…

【読書日記12】竹中教授の14歳からの経済学2

前回の続きで、以下についてです。 経済はとても大切だけど、つかみどころがない。 経済の問題に絶対的な完全な正解はない。 What's the problem? What's the solution? 最後のWhat's the problem? What's the solution?についてです。経済はつかみどころが…

【読書日記12】竹中教授の14歳からの経済学1

本日は以下の1冊を御紹介致します。 竹中教授の14歳からの経済学作者: 竹中平蔵出版社/メーカー: 東京書籍発売日: 2009/08/29メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 74回この商品を含むブログ (17件) を見る これまで、「14歳からの世界金融…

セミナー5「あたりまえだけどなかなか出来ない33歳からのルール」

先週参加した小倉広先生のセミナーのレビューです。セミナーの内容は先日発売された「あたりまえだけどなかなか出来ない33歳からのルール」についてでした。あたりまえだけどなかなかできない 33歳からのルール (アスカビジネス)作者: 小倉広出版社/メーカー…

価値観と経済の関係を考える

9月7日の日経の経済教室では、阪大教授の大竹先生が投稿されていました。 本経済教室では、宗教、家族に関する考え方、公共心といった価値観や文化が国による制度の差や経済パフォーマンスの差を生み出しているという研究を紹介しています。具体的には以下の…

セミナー4「和田裕美さん 仕事も人間関係もうまくいく『陽転思考』」

外資系教育会社の営業で世界142カ国中2位になった実績をほこる和田裕美さんのセミナーに本日参加いたしました。セミナーの内容は先日発売されたばかりの和田さんが書いた「人生を好転させる『新・陽転思考』」についてでした。人生を好転させる「新・陽転思…

【読書日記11】決算書のワナ

本日は以下の1冊を御紹介します。 決算書のワナ―危ない会社の見破り方―作者: 永野良佑出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2008/12/11メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (4件) を見る著者は、先日御紹介した「これからの『金融ルール』がわか…

1ドルの行方を考える。

今から17年前、私が小学生の時、新聞のコラムにある1つのパラドックス的な話が載っていました。凄く不思議な話で、コラムには答えが書いていなく、当時は結局なぞかけの答えはわかりませんでした。 その話が2年ぐらい前に読んだ本に偶然出ていたので、ご紹介…

【読書日記10】100年に一度のチャンスを掴め!

本日は以下の1冊をご紹介いたします。100年に1度のチャンスを掴め! (PHPビジネス新書)作者: 藤巻健史出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2009/04/17メディア: 新書購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (16件) を見る 著書はJPモルガンで「伝説の…

【読書日記9】これからの金融ルールがわかる本

本日は以下の1冊を御紹介いたします。これからの「金融ルール」がわかる本 (PHPビジネス新書)作者: 永野良佑出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2009/04/18メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 著者は「さくっと読めてしっかりわ…