日本経済の不況の原因は何か
「今は地価が下落傾向にあるが、地価が上昇しさえすれば景気が回復するはずだ。」 かすかな記憶ですが「ナニワ金融道」で、バブルが崩壊した後の街中の中小企業の経営者の会話でも上記のようなものがあったと記憶しています。 今まで何度か地価に関するニュ…
3月23日に発表された公示地価では、全国的に地価の下落が顕著でした。アナリスト達は、今回の下落をどのように分析しているのでしょうか。以下、4人のアナリスト・エコノミストの意見を御紹介します。各アナリストの論点は以下の通りです。 「東京圏・名古屋…
本ブログにおいて、日本経済が不況の陥った要因として、「円安バブルの崩壊」および「不動産バブルの崩壊」の2点であると以前書きました。3月23日に国土交通省から、公示地価が発表されましたが、1月に発表された地価動向と同様に地価の下落が激しく、不動産…
前々回では、急激な円高は円キャリートレードの巻き戻しであると述べました。そうこう言っているうちに、ここ1ヶ月ほど、1ドル100円近くまで売られ円安になり、先週また円が買われ、一時1ドル93円までの円高になりました。円安になったり、円高になったりと…
大手不動産ファンドのパシフィックホールディングスが倒産しました。詳細は帝国データバンクのサイトをご確認ください。 サマリーは以下の通りです。 パシフィックホールディングス(株)(資本金196億3947万4550円、千代田区永田町2-11-1、代表織井渉氏ほか…
ここ最近はずっと為替の話を書いてきました。具体的には、円安バブルが起こった経緯、円キャリートレードの仕組み、カバー付き及びなし金利裁定条件、為替はどのように変動するのか、為替の動きを理論で説明できるのか、といったことについてです。念のため…
無駄に為替の話が長くなっております。早く不動産の話に進みたいので、予定よりも簡素化して、為替の話を終わらせたいと思います。前回の為替の話では、為替の動きは正規分布でかなりよく近似が出来るということを述べました。では、どのくらいよく説明でき…
前回まで為替の話をずっとしてきましたが、今週に不動産に関する重大なニュースが二つあったので、そちらをご紹介したいと思います。 地価下落、ほぼ全地点に 国交省1月調査、名古屋圏の下げ目立つ SFCG、民事再生法を申請 一つ目のニュースは、国土交…
前回では、「フォワードルッキングパズル」について述べるとともに、日銀のワーキングペーパーをご紹介いたしました。このワーキングペーパーの結論の1つには「一旦巻き戻されると低金利通貨は急騰し、ボラティリティも高まり易い」というものがありました…
前回では、竹森先生の「世界経済の謎」やフルート(1990)を引用し「短期的には金利が高い通貨は、先物レートが示しているように必ずしも減価しない」ということについて述べました。このことは、「フォワードディスカウントパズル」と呼ばれ、経済学の中でも…
前回の続きで「短期間においては、『カバーなし金利裁定条件』は成り立つのか」についてです(長期については前回述べました)。このことが成り立てば、金利の低い通貨で資金を調達し、高金利の通貨で運用すれば、「インカムゲイン」に加え、為替差益である「…
前回では、カバーなし金利裁定条件について述べました。では、カバーなし金利裁定条件という傾向法則は成り立つのでしょうか。言い換えるならば、「金利が高い通貨ほど、減価する傾向があるのか」ということです。何度も書いていますが、金利が高い国の通貨…
前回では、「金利が高い通貨の先物レートは減価する」ということについて述べました。通常は、金利が高い国通貨は買われるといわれています。しかしながら先物レートでは、金利が高い通貨は減価しているのです。今はドルの金利と円の金利差がほとんどないた…
前回の続きで、金利が高い国に投資することについてです。気が付いたら日本経済の不況の原因とは程遠い議論をしているようですが、為替の話をしなければ、「円キャリートレード」をきちんと理解が出来ず、また日本が不況になった理由のひとつである「円高に…
前回では、金利が高い国の通貨に投資をするとキャピタルゲインとインカムゲインの両方で儲かる可能性があることについて述べました。その理由は以下の通りです。 高金利の国に投資をすると金利差で儲けることが出来る。→インカムゲイン 高金利の国の通貨は買…
前回では円安バブルが生まれた原因について述べましたが、その際に円キャリートレードについても触れました。円キャリートレードとは以下のようなものでした。 円キャリートレードとは、低金利の円で資金を調達し、外国の高金利の通貨で運用するというもので…
前回では、円安バブルの発生の原因の1つとして円キャリートレードがあったことを指摘しました。またこの円キャリートレードには個人投資家もFXや外貨預金を通じて、多く関わっていたことについても述べました。さて、外国の金利が高く、FXや外貨預金が個人…
前回は現在の日本経済の不況の原因のひとつとして、円安バブルが崩壊したことについて言及しました。では、どのようにして円安バブルは生まれたのでしょうか。ここは野口先生に代わって、元財務官でミスター円の異名を持つ、現早稲田大学教授の榊原先生に説…
日経のニュースによると、民間エコノミストによる2008年10―12月期の実質経済成長率予測は平均で前期比年率10.59%減と、1月調査の5.14%減を大きく下回っている状況です。もうこの不況は戦後最大規模といっても過言ではないでしょう。そして、「金融危機の影…
前回では日本経済が不況になった原因は、従来考えられていたように「アメリカの住宅バブルが崩壊したことで、サブプライムローンが組み込まれた証券化商品に価格がつかなくなり、それらを保有していた欧米の金融機関が大きな損失を被った。その結果、金融危…
2007年8月のパリバショックを契機に、アメリカ発のサブプライム問題が起こり、アメリカでは住宅バブルが崩壊しました。その後の2008年9月には全米4位の証券会社リーマンショックの破綻、それ以降、世界経済は本格的に不況になりました。前FRB議長グリーンス…