2009年8月日本で不良債権問題再発か?
前回では、不良債権の増加額が実感とは違い少なすぎるということを書きました。では、この実感とのずれはどこから来るのでしょうか。
1つの仮説としては2009年3末の不良債権残高が発表される2009年8月に、不動債権の残高が急に大きく増える可能性が非常に高いということが考えられます。
というもの、ご存知の通り2008年9月にはリーマンブラザーズが破綻したからです。リーマンの日本法人の負債総額は約3兆4千億円で、戦後の大型倒産では、2000年に破綻した協栄生命の負債総額4兆5千億円に次ぐ2番の多さです。
さらに、リーマン破綻後も大型企業の倒産は続きました。
- 大和生命(2008年9月 約2690億円)
- モリモト(2008年11月 約1615億円)
- ニューシティレジデンス投資法人(2008年 約1123億円)
- クリード(2009年1月 約650億円)
- ダイナシティ(2008年10月 約520億円)
- リプラス(2008年9月 約325億円)
これほどの大型倒産が続いているにもかかわらず、企業の倒産や不良債権増加の可能性についてはほとんど報道されていません。リーマンショックや輸出企業の軒並みの赤字で、これらのニュースは忘れられているのでしょうか。約2550億円もの負債総額を抱えて倒産したアーバンコーポレーションに関しては、倒産が問題になるというよりも、パリバのインサイダー情報の問題ばかりがニュースになっています。
現状の認識をきちんとしなければ、国がとるべき政策も誤った方向に行く可能性があります。不良債権増加のきちんとした認識及びその対応は急務といえます。するとまたここで1つの疑問が出来ます。それは以下のことです。
「小泉・竹中改革による不良債権処理は本当に経済にとってプラスだったのか?」
このことをきちんと分析しなければ、今後再発するであろう不良債権問題にも誤った対応をする可能性があります。「不良債権処理は効果があったのか」については、また別に機会に書きたいと思います。
P.S
「世界大不況下、企業倒産続発!破綻例から生き延びる術を学ぶ」
アーバンや大和生命、L&Gなどの倒産の理由が分析されています。まさにいま読むべき一冊といえるでしょう。
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