日本経済の不況の原因は何か2〜内側と外側で二つのバブルが崩壊〜

前回では日本経済が不況になった原因は、従来考えられていたように「アメリカの住宅バブルが崩壊したことで、サブプライムローンが組み込まれた証券化商品に価格がつかなくなり、それらを保有していた欧米の金融機関が大きな損失を被った。その結果、金融危機アメリカの実体経済にまで影響を与え、それが日本経済にも影響を与えている。」だけではないのでは?という問題を提示しました。

世界の金融危機から端を発した世界不況が本格的に叫ばれるようになったのは、2008年9月以降のリーマンショックだと言われています。ですが、不良債権の記事を書いたように、日本の不動産・建設業界の破綻は2008年4月から始まっています。ということは、もちろん今回のリーマンショック以降の金融危機が日本に与えた影響は大きいものの、それ以外にも今回の不況に大きく影響している要因があると考えることが妥当といます。

では、日本経済が不況に陥った原因はいったいなんでしょうか。
私の仮説は以下の二つのバブルが日本ではじけたことによるものと思っています。その二つのバブルとは

  • 円安バブル
  • 日本における不動産バブル

です。この二つのバブル、視点を少し変えてみると恐ろしいことがわかります。どういうことでしょうか。

  • 円安バブル →外需バブルの崩壊
  • 不動産バブル→内需バブルの崩壊

すなわち、日本経済は現在金融恐慌の真っ只中にいるのは当然のこと、さらに日本における外側(円安バブルという名の外需)と内側(不動産バブルというなの内需)からもダブルパンチで深刻なダメージを受けている状況だと考えられます。ダブルパンチの上に、日本経済にとってトラウマのような不良債権問題も控えています。

ですが、円安バブルの崩壊や不動産バブルの崩壊といっても恐らく多くの人はぴんと来ないと思います。そもそもそんなバブルが起こっていたかどうかも定かではありません。次回からはこの二つのバブルについて考えていきたいと思います。