セミナー4「和田裕美さん 仕事も人間関係もうまくいく『陽転思考』」

外資系教育会社の営業で世界142カ国中2位になった実績をほこる和田裕美さんのセミナーに本日参加いたしました。セミナーの内容は先日発売されたばかりの和田さんが書いた「人生を好転させる『新・陽転思考』」についてでした。

人生を好転させる「新・陽転思考」

人生を好転させる「新・陽転思考」

セミナーに出る前にすでに本書を読んでいたので、セミナーで説明されていた内容はほとんど知っていましたが、和田さんのパワフルなプレゼンで陽転思考の理解がより深まりました。プレゼン自体はパワーポイントを使うわけでもなく、ホワイトボードが1枚おいてあるだけの非常にシンプルなものでしたが、お話が非常に上手で話にぐいぐいと引き込まれて、あっという間の1時間でした。和田さんの陽転思考の主たるポイントは以下の3点です。

  • 幸せのキーを持つ。
  • 事実はひとつ。考え方はふたつ。
  • 目の前の事実から「よかった」を探す。

エッセンスだけ述べますと、一つの事実から良い面と悪い面を探し、どちらを選ぶか二者択一にし、幸せになるために良いほうを選ぶというものです。そのためにも、目の前の事実から「よかった」を探すことが重要になります。非常にわかりやすく、シンプルです。事実、和田さんもセミナーで何度も「難しくはありません。」とおっしゃっていました。

例えば、価値観の合わない人がいるとしましょう。そういう場合、人はマイナスの面しか見なくなります。しかし、考え方を変えて、「違う意見があるから『考える』ことが出来て、よかった」と考えるのです。そうすることで、自分の成長に結びつけることが出来ます。これが目の前の事実から「よかった」を探す陽転思考です。

ポジティブシンキングと似ているようですが、決定的に異なる箇所があります。それは「マイナス」も考えるということです。ポジティブシンキングでは、基本的に物事の良い面しか見ようとしません。その点である種の「無理」が存在していると言えます。しかし、陽転思考では、「悪い面」と「良い面」をそれぞれ比較し、幸せになるために「良い面」に目を向けるということをします。これが「事実は一つ。考え方は二つ。」です。

個人的には、いったんマイナス面も考慮に入れる陽転思考の方が、ポジティブシンキングよりも合いそうな気がしました。

この陽転思考が出来るか出来ないかの違いは「実行に移すか、移さないかの違い」、ただそれだけです。陽転思考を使えば、確かに物事が違って見えてきます。

陽転思考を使うこつはとりあえず「よかった」ということです。「試験に落ちて、よかった。」「喧嘩してよかった。」「仕事でミスをしてよかった。」などという風にです。ここでは、完全に論理矛盾が出てきます。そうすると人間の脳はものすごいスピードで、「よかった理由」を探すようになります。

そうすることで「試験に落ちたおかげで、自分の勉強不足が認識できてよかった。次はもっとしっかり勉強しよう」「本音を話せたから喧嘩が出来てよかった。」「仕事でミスはしたけど、次はしないように工夫できるようになるからよかった。」という考えが出来るようになり、次のステップに進め、成長することが出来るようになるのです。

私もさっそく考えてみました。

日本経済が不況でよかった。

正直今までこんなことはほとんど考えたことはなかったです。もちろんイノベーションが起こるので、不況は重要という考え方は経済学にはありますし、不況の重要さは認識していました。しかし、自分で主体的に「日本経済が不況でよかった」とは考えたことがなかったので、自分の中でちょっとしたパラダイムシフトが起こりました。

なぜ日本経済が不況でよかったのか??至極個人的なことですが、私にとってよかったこととしては、以下のことがあげられます。

  • 経済学を勉強するきっかけになった。
  • 不況の原因を研究するため大学院に進学する決心をし、本気で勉強するようになった。
  • 大学院で、知的好奇心あふれる友人が多数出来た。
  • 不況だからこそ、歴史を勉強するようになった。
  • 日本経済の不況の原因を考えるようになった。
  • リーマンショック後の方がリーマンショック前よりもたくさんの経済の本を読むようになった。
  • 今勤めている会社も不況の結果、生まれた会社なので、日本経済が不況でなかったら、今私が勤めている会社は存在しなかったかもしれない。
  • 経済が不況で、世の中の行く末が不確実だからこそ、自分の意見を持とうと思うようになった。

陽転思考の考え方を使うと、現在の自分を構成するファクターとして「日本経済の不況」というのは非常に重要だということがわかりました。不謹慎ですが、今ある自分は日本経済が不況のおかげだからだと。だからこそ経済学に貢献することで、日本経済の成長に少しでも寄与したいと思います。

思えば、日本経済の行く末を考えるときもマイナスのことばかりを探していました。「このまま地価が下がり続けるのではないか」「金融機関は不良債権処理にまた苦しむのか。」「失業率はこのまま上昇しそうだ」など。

ですが、陽転思考を使えば、不思議と日本経済の今後が明るく見えてきます。日本経済のいい材料がたくさん見つかるのです。陽転思考を使うことで、今までは見えなかった論点が探せて何かいい論文が書けそうな予感がします(笑)

本日和田さんのセミナーに参加できて本当に「よかった」です。これかも日々陽転思考で物事を考えるようにしていきたいと思います。お勧めの本なので、和田さんの「人生を好転させる『陽転思考』」も是非読んでみてください。