経済学

期待インフレ率の測定方法について

村上龍氏が発行しているメールマガジン「JMM」のQ1,146のテーマは「インフレ期待が国民の間に醸成されるためには、政府の、どのような経済政策が有効なのでしょうか。」がテーマでした。各論者が期待インフレ率の醸成方法について意見を投稿していましたが、…

経済学者アンケート 経済政策はどうあるべきか

米国の33代大統領ハリー・トルーマンはかつて以下の言葉を発しました。 隻腕の(one-armed)経済学者を見つけたい。 トルーマンがブレーンの経済学者たちに助言を求めると、経済学者たちはいつも次のように答えたからです。 一方では(on the one hand)・・…

転換期の経済思想を考える

10月21日の日経経済教室では、本ブログでも度々登場している慶応大の小幡先生が寄稿されています。 今回の論文の内容は経済危機と経済思想についてでした。過去幾度となく経済構造の変化が起きたときには、政権の交代が起こっています。そしてそのような時に…

モラトリアムについて考える②

前回の続きでモラトリアムについてです。今回からはモラトリアムのことを踏まえて「そもそも金利とはいったい何か?」について考えてみたいと思います。 実務で働いていると、金利は多くの場合「リスクフリー資産(例えば、国債)やLibor、Tibor、長プラといっ…

モラトリアムについて考える。

最近亀井金融担当大臣が提案している返済猶予、いわゆるモラトリアムが非常に話題になっています。どのような内容になるかは明確に決まってはいませんが、先日のニュースでは以下の案があるとのことです。 元利金の支払いを猶予する約3年間、国が貸し手の地…

「東大・林教授、一橋大学に 異例の移籍」を考える。 Appendix

東大林先生の業績について簡単にまとめました。①トービンのQ 投資のトービンのQの理論において、限界のQと平均のQがある仮定の下では、一致することを林先生は数学的に証明しました。このおかげでトービンのQを用いた実証分析が可能となりました。投資関数の…

「東大・林教授、一橋大学に 異例の移籍」を考える。

いきなりですが、先週発表された下記ニュースについてです。 東大・林教授、一橋大学に 異例の移籍 マクロ経済学や計量経済学が専門の林文夫・東京大学教授(57)が10月1日付で一橋大学の教授として移籍することがわかった。東大経済学部の教授が定年前にほ…

価値観と経済の関係を考える

9月7日の日経の経済教室では、阪大教授の大竹先生が投稿されていました。 本経済教室では、宗教、家族に関する考え方、公共心といった価値観や文化が国による制度の差や経済パフォーマンスの差を生み出しているという研究を紹介しています。具体的には以下の…

銀座のコーヒーの価格はなぜ高いのか?

前回では、地価と景気の因果関係について述べました。関連で経済学の教科書によく出る例え話で、「銀座のコーヒー」も有名です。ここで質問です。 銀座のコーヒーはなぜ高いのでしょうか? 上記の質問に対し、「銀座の地価が高いから」と答えるのが一般的だ…

よいと投機と悪い投機

サブプライムショックの原因として「行き過ぎた投機」や「投資ではなく、投機だった」という批判がみられます。投機という言葉には非常にネガティブな側面がある一方で、使われ方としては得てしてあいまいです。 では、投機とはいったい何なのか。そしてその…

この未曾有の不況の中、果たして経済学は有効なのか?

100年に一度の不況と言われている昨今、経済学は適切な処方箋を提示し、世界の救世主となりえるのでしょうか。それとも、所詮机上の理論である経済学は、世界襲う不況に対して無力なのでしょうか。経済評論家やエコノミストの中には従来の経済学では、現在の…