投資

1ドルの行方を考える。

今から17年前、私が小学生の時、新聞のコラムにある1つのパラドックス的な話が載っていました。凄く不思議な話で、コラムには答えが書いていなく、当時は結局なぞかけの答えはわかりませんでした。 その話が2年ぐらい前に読んだ本に偶然出ていたので、ご紹介…

日本経済の不況の原因は何か13〜為替はどのように変動するのか〜

前回では、「フォワードルッキングパズル」について述べるとともに、日銀のワーキングペーパーをご紹介いたしました。このワーキングペーパーの結論の1つには「一旦巻き戻されると低金利通貨は急騰し、ボラティリティも高まり易い」というものがありました…

日本経済の不況の原因は何か12〜フォワードディスカウントパズルと為替の実証研究〜

前回では、竹森先生の「世界経済の謎」やフルート(1990)を引用し「短期的には金利が高い通貨は、先物レートが示しているように必ずしも減価しない」ということについて述べました。このことは、「フォワードディスカウントパズル」と呼ばれ、経済学の中でも…

日本経済の不況の原因は何か11〜為替市場の謎〜

前回の続きで「短期間においては、『カバーなし金利裁定条件』は成り立つのか」についてです(長期については前回述べました)。このことが成り立てば、金利の低い通貨で資金を調達し、高金利の通貨で運用すれば、「インカムゲイン」に加え、為替差益である「…

日本経済の不況の原因は何か10〜カバーなし金利裁定条件は成り立つのか?〜

前回では、カバーなし金利裁定条件について述べました。では、カバーなし金利裁定条件という傾向法則は成り立つのでしょうか。言い換えるならば、「金利が高い通貨ほど、減価する傾向があるのか」ということです。何度も書いていますが、金利が高い国の通貨…

日本経済の不況の原因は何か9〜為替の先物は将来を予想していない?〜

前回では、「金利が高い通貨の先物レートは減価する」ということについて述べました。通常は、金利が高い国通貨は買われるといわれています。しかしながら先物レートでは、金利が高い通貨は減価しているのです。今はドルの金利と円の金利差がほとんどないた…

日本経済の不況の原因は何か8〜カバー付き金利裁定条件〜

前回の続きで、金利が高い国に投資することについてです。気が付いたら日本経済の不況の原因とは程遠い議論をしているようですが、為替の話をしなければ、「円キャリートレード」をきちんと理解が出来ず、また日本が不況になった理由のひとつである「円高に…

日本経済の不況の原因は何か7〜為替の直物と先物〜

前回では、金利が高い国の通貨に投資をするとキャピタルゲインとインカムゲインの両方で儲かる可能性があることについて述べました。その理由は以下の通りです。 高金利の国に投資をすると金利差で儲けることが出来る。→インカムゲイン 高金利の国の通貨は買…

個人投資家は、市場よりリターンを上げることが出来るのか?

円キャリートレードのことを書いた際に、FXで儲けた個人投資家は、どこに行ってしまったのか、ということについて述べました。確かに中にはFXで大儲けしたまま勝ち逃げ出来た人もいるでしょう。他方、投資したお金をすべて失った人も中にはいるはずです。で…

日本経済の不況の原因は何か5〜円キャリートレードと円安バブル〜

前回では円安バブルが生まれた原因について述べましたが、その際に円キャリートレードについても触れました。円キャリートレードとは以下のようなものでした。 円キャリートレードとは、低金利の円で資金を調達し、外国の高金利の通貨で運用するというもので…

日本経済不況の原因は何か6〜為替と金利の不思議な関係〜

前回では、円安バブルの発生の原因の1つとして円キャリートレードがあったことを指摘しました。またこの円キャリートレードには個人投資家もFXや外貨預金を通じて、多く関わっていたことについても述べました。さて、外国の金利が高く、FXや外貨預金が個人…