2009-01-01から1年間の記事一覧
本日は、現在早稲田大学の教授で、かつては大蔵省国際金融局長、財務官を歴任し、巨額の為替介入により「ミスター円」と言われ、世界に名を轟かせた榊原英資氏による世界経済を分析した以下の1冊をご紹介したいと思います。 間違いだらけの経済政策 (日経プ…
3月27日の金曜日、レバレッジリーディングなどのレバレッジシンシリーズで有名な本田直之さんのセミナーに参加してきました。 今回のセミナーでは、100年に一度の不況の中、個人はどのようにして生き残っていくべきか、そして生き残るためにいかにパーソナル…
3月23日に発表された公示地価では、全国的に地価の下落が顕著でした。アナリスト達は、今回の下落をどのように分析しているのでしょうか。以下、4人のアナリスト・エコノミストの意見を御紹介します。各アナリストの論点は以下の通りです。 「東京圏・名古屋…
本ブログにおいて、日本経済が不況の陥った要因として、「円安バブルの崩壊」および「不動産バブルの崩壊」の2点であると以前書きました。3月23日に国土交通省から、公示地価が発表されましたが、1月に発表された地価動向と同様に地価の下落が激しく、不動産…
サブプライムショックの原因として「行き過ぎた投機」や「投資ではなく、投機だった」という批判がみられます。投機という言葉には非常にネガティブな側面がある一方で、使われ方としては得てしてあいまいです。 では、投機とはいったい何なのか。そしてその…
前回の続きで、「リーマンは救済されなかったのか」についての議論を考えたいと思います。今回は二つ目の仮説として慶応大竹森先生の議論を御紹介いたします。第一回で書いたようにベア、フレディマック、ファニーメイ、AIGが救済され、リーマンが救済されな…
前々回では、急激な円高は円キャリートレードの巻き戻しであると述べました。そうこう言っているうちに、ここ1ヶ月ほど、1ドル100円近くまで売られ円安になり、先週また円が買われ、一時1ドル93円までの円高になりました。円安になったり、円高になったりと…
本日は「週刊こどもニュース」でも有名な池上彰さん著の「45分でわかる14歳からの世界金融危機」をご紹介したいと思います。45分でわかる! 14歳からの世界金融危機 (45 MINUTES SERIES 1)作者: 池上彰出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2009/02/26メデ…
大手不動産ファンドのパシフィックホールディングスが倒産しました。詳細は帝国データバンクのサイトをご確認ください。 サマリーは以下の通りです。 パシフィックホールディングス(株)(資本金196億3947万4550円、千代田区永田町2-11-1、代表織井渉氏ほか…
本日は以下の本をご紹介したいと思います。「超具体化」コミュニケーション実践講座作者: 小宮一慶出版社/メーカー: プレジデント社発売日: 2009/02/17メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 2回この商品を含むブログ (14件) を見る「ビジネスマンのた…
前回の続きで「リーマンが救済されなかった理由」について考えてみたいと思います。まず最初は、金融機関で国際金融業務の実務畑に長年従事した堀川直人氏著書の「ウォール街の闇」よりリーマンが破綻した理由を引用したいと思います。 1.リーマンの経営危機…
現在「日本経済の不況の原因は何か」を書いていますが、ここでは世界金融危機の原因については直接は言及せずに話を進めています。すなわち、世界金融危機を所与のものとして、日本経済の不況の原因を書いている状況です。というのも、日本経済の不況の原因…
100年に一度の不況と言われている昨今、経済学は適切な処方箋を提示し、世界の救世主となりえるのでしょうか。それとも、所詮机上の理論である経済学は、世界襲う不況に対して無力なのでしょうか。経済評論家やエコノミストの中には従来の経済学では、現在の…
今回から新たに「読書日記」のカテゴリーを設けました。通常の経済のコンテクストではまず紹介することができないけれど、私が感銘を受けた、また非常に示唆富んだ本だと思う1冊をご紹介したいと思います。第一回目は司法試験のカリスマ伊藤真さんと「ハーバ…
ここ最近はずっと為替の話を書いてきました。具体的には、円安バブルが起こった経緯、円キャリートレードの仕組み、カバー付き及びなし金利裁定条件、為替はどのように変動するのか、為替の動きを理論で説明できるのか、といったことについてです。念のため…
無駄に為替の話が長くなっております。早く不動産の話に進みたいので、予定よりも簡素化して、為替の話を終わらせたいと思います。前回の為替の話では、為替の動きは正規分布でかなりよく近似が出来るということを述べました。では、どのくらいよく説明でき…
前回まで為替の話をずっとしてきましたが、今週に不動産に関する重大なニュースが二つあったので、そちらをご紹介したいと思います。 地価下落、ほぼ全地点に 国交省1月調査、名古屋圏の下げ目立つ SFCG、民事再生法を申請 一つ目のニュースは、国土交…
クー氏は講演で、「(2008年ノーベル経済学者である)少し風変わりな経済学者(実際はもっと厳しい言葉で揶揄していました)クルーグマンもブログで公共投資の重要性を認めた」といっていたので、クルーグマンのブログで記事を検索して見ました。すると、クルー…
前回では、リチャードクー氏が提唱しているバランスシート不況について説明しました。クー氏は、今の世界経済不況に対して1つだけ望みがあると講演で述べていました。それはまさしく日本が10年前にバランスシート不況に陥っていたこと及びその解決策を提…
前回では、「フォワードルッキングパズル」について述べるとともに、日銀のワーキングペーパーをご紹介いたしました。このワーキングペーパーの結論の1つには「一旦巻き戻されると低金利通貨は急騰し、ボラティリティも高まり易い」というものがありました…
前回では、竹森先生の「世界経済の謎」やフルート(1990)を引用し「短期的には金利が高い通貨は、先物レートが示しているように必ずしも減価しない」ということについて述べました。このことは、「フォワードディスカウントパズル」と呼ばれ、経済学の中でも…
前回の続きで「短期間においては、『カバーなし金利裁定条件』は成り立つのか」についてです(長期については前回述べました)。このことが成り立てば、金利の低い通貨で資金を調達し、高金利の通貨で運用すれば、「インカムゲイン」に加え、為替差益である「…
本日春季証券投資セミナーに参加し、野村證券のチームエコノミストであるリチャード・クーさんと経済評論家の勝間和代さんの講演を聞いてきました。リチャード・クーさんは主に「バランスシート不況」について、勝間さんはベストセラー「銀行にお金は預ける…
前回では、カバーなし金利裁定条件について述べました。では、カバーなし金利裁定条件という傾向法則は成り立つのでしょうか。言い換えるならば、「金利が高い通貨ほど、減価する傾向があるのか」ということです。何度も書いていますが、金利が高い国の通貨…
前回では、「金利が高い通貨の先物レートは減価する」ということについて述べました。通常は、金利が高い国通貨は買われるといわれています。しかしながら先物レートでは、金利が高い通貨は減価しているのです。今はドルの金利と円の金利差がほとんどないた…
前回の続きで、金利が高い国に投資することについてです。気が付いたら日本経済の不況の原因とは程遠い議論をしているようですが、為替の話をしなければ、「円キャリートレード」をきちんと理解が出来ず、また日本が不況になった理由のひとつである「円高に…
前回では、金利が高い国の通貨に投資をするとキャピタルゲインとインカムゲインの両方で儲かる可能性があることについて述べました。その理由は以下の通りです。 高金利の国に投資をすると金利差で儲けることが出来る。→インカムゲイン 高金利の国の通貨は買…
円キャリートレードのことを書いた際に、FXで儲けた個人投資家は、どこに行ってしまったのか、ということについて述べました。確かに中にはFXで大儲けしたまま勝ち逃げ出来た人もいるでしょう。他方、投資したお金をすべて失った人も中にはいるはずです。で…
前回では円安バブルが生まれた原因について述べましたが、その際に円キャリートレードについても触れました。円キャリートレードとは以下のようなものでした。 円キャリートレードとは、低金利の円で資金を調達し、外国の高金利の通貨で運用するというもので…
前回では、円安バブルの発生の原因の1つとして円キャリートレードがあったことを指摘しました。またこの円キャリートレードには個人投資家もFXや外貨預金を通じて、多く関わっていたことについても述べました。さて、外国の金利が高く、FXや外貨預金が個人…